【五十嵐亮太】引退セレモニー全文。涙は要らない、涙なしには見れない引退セレモニー

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2020年シーズン限りで引退を表明していたヤクルトの五十嵐亮太投手が25日、現役最後の試合に登板しました。引退試合当日の様子や、セレモニーの全文を紹介していきます。

906試合目の登板

igarashi-20201025
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日米通算906試合目のマウンドに上がった鉄腕リリーバーは、セットアッパーとして主戦場を戦いぬいた8回のマウンドへ上がった。先頭のシエラに対して真ん中高めの143km/hを詰まらせ、サードゴロ。サードのエスコバーのファインプレーにも助けられる。勝負師らしい真っ向勝負といえる、最後の対戦でした。

マウンドに上がる前にはレフトの守備へ向かう青木宣親らと抱擁を交わし、スタンドを沸かせた。対戦後にはリリーフとして全盛期のブルペンを担った高津監督とも抱擁を交わし、スタンドを埋めたファンの大喝采を受けてベンチに退いた。

引退試合には同い年の大ベテラン・石川雅規も応援にかけつけ、涙ぐみながら五十嵐投手の勇姿を見守る姿が話題になりました。

引退記念のボールを受け取ったが、惜しげもなくスタンドに放り投げ、ファンへプレゼント。古田敦也さんの引退試合を思い出させるような粋な演出でした。

対戦した中日のシエラ選手は、実は2012年に3Aラスベガス・アビエイターズでチームメイトであったという縁があったそう。シエラはこの試合先発出場しており、たまたま対戦が実現したのだが、これも五十嵐投手の長い足跡が生んだ縁でしょう。

引退セレモニーは涙なし

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試合後、引退セレモニーが行われました。

挨拶では、終始笑顔で話す五十嵐投手の姿は、現役23年間をやり切ったという思いが伝わってきました。

一人の人間としての五十嵐投手、プロ野球選手としての五十嵐投手、父親としての五十嵐投手の戦いの足跡が詰まった、感動的なセレモニーでした。

セレモニー後、五十嵐投手はライトスタンドのフェンスによじ登るパフォーマンス。かつては古田敦也氏や宮本慎也氏が同様のパフォーマンスでファンを沸かせ、五十嵐投手も踏襲してくれました。

セレモニーでは自身のヤクルトの想いと、今後のスワローズへの激励も述べました。引退後の去就は不明ですが、いつの日か再びスワローズのユニフォームに袖を通す姿を見たいですね。

引退セレモニー全文

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えー皆さん今日はありがとうございます

僕の思い出の詰まったこのじんぎゅう・・・神宮球場で、
(大事なところで噛み、笑い起こる)
こうしてここに立てていることを幸せに思い、感謝の気持ちでいっぱいです。
ファンの皆さん、これまで温かい声援をありがとうございました。

皆さんの声援に背中を押され、勇気をもらい、助けられ、ここまでやってくることができました。

ヤクルトを離れて10年が経ち、去年戻ってきたときに皆さんの温かい声援、生涯忘れません。

選手のみんな、これまで良い時もそうじゃないときも、共に戦ってきたことを幸せに思います

どんなときも正面から向き合い、戦い、逃げることなく、やってきたことを誇りに思っています

そして両親、野球をやらせてくれて、ありがとう
そしてこんな丈夫な体に産んでくれて、ありがとう
お陰で今も、ビンビンに元気です!
(会場に笑い)

そして妻と子供たち、我が儘に野球をやらせてくれて、ありがとう。
おかげでこんなに素晴らしい野球人生を送ることができました。

父親らしいことはできなかったけど、君たち二人の記憶に残るために、それまで現役でいたいという願いがかなえられました。

その願いが叶えられ、野球に専念できたのも妻のおかげです。本当にありがとう。

ぼくは、20年間以上中継ぎとしてやってきました。
その間一度も満足することなく向上心を持ち続けてやってきました。

それはヤクルトスワローズの先輩たちの姿を見て学んできたことです。
僕なりに考え、受け継ぎ、後輩たちに伝えてきたつもりです。

今、ヤクルトスワローズは苦しい戦いが続いています。
しかし、どんなときも舌を向かずに戦ってきた選手、そして僕たちを信じ続けてきた高津監督、そしてコーチの姿を僕は知っています。

今一度、チームそしてファンの皆さんが共に戦い、乗り越えていけると信じています。

最後に僕からお願いがあります。
皆さん、お立ちいただいてもよろしいでしょうか
(観客総立ち)
いやぁ、ありがとう。
僕の願いにこたえてくれるなら、今年一番の拍手を選手、そしてチームに送ってください。
(観客総拍手)
ありがとう。
僕はこれからもスワローズがファンの皆さんと戦い、喜びを分かち合える、景色をずっと見ていたい。
皆さん、これからも東京ヤクルトスワローズと共に戦っていってくれるでしょうか。
ヤクルトスワローズを愛していってくれるでしょうか。

これからもヤクルトスワローズをよろしくお願いします。
23年間、本当にありがとうございました!

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脚注

2020/10/25

yoshi-kky