【選手名鑑】嶋基弘/ヤクルト-実績豊富なベテラン捕手。新たなチームで底力を見せる

嶋基弘
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ツバメinfoの選手名鑑。嶋基弘は東京ヤクルトスワローズの捕手。実績豊富なベテラン捕手。かつての恩師・野村克也氏が指揮をとっていたチームで、底力を見せる。右投右打。

基本情報

選手名:嶋 基弘(しま もとひろ)
利き手:右投右打
ポジション:捕手
生年月日:1984年12月13日(35歳)
年数:14年目
出身地:岐阜県
来歴:中京大中京高校‐國學院大學‐楽天(2006年大・社3位)‐東京ヤクルトスワローズ(2020-)
身長体重(公称):179cm84kg

推定年俸

5,000万円(2年契約、1年目)

背番号

37(2007-)

45(2020-)

成績

2019年

(楽天)

57試合 .209 3本 15打点 出塁率.298 OPS.635

NPB通算

1402試合 .242 26本 311打点 出塁率.326 OPS.627

獲得タイトル

ベストナイン(2010年、2013年)

ゴールデングラブ(2010年、2013年)

最優秀バッテリー賞(2011年、2013年、いずれも投手は田中将大)

登場曲

「熱くなれ」大黒摩季

「男の勲章 -復活-」嶋大輔

寸評

2019年12月4日、入団会見でメディアのカメラに応える嶋基弘(公式フォトギャラリーより引用)
2019年12月4日、入団会見でメディアのカメラに応える嶋基弘(公式フォトギャラリーより引用)

2013年には楽天を創設初の日本一に導いた実績豊富なベテラン捕手。

2019年オフ、楽天との残留交渉がまとまらず、自由契約を経て今季からヤクルトに入団。ヤクルトにはレギュラー捕手の 中村悠平 がいるが、互いに刺激し合ってチームの投手陣を立て直したい。

ヤクルトと楽天は近年人材交流が盛んで、同時に移籍した 今野龍太 や、楽天時代の1年先輩捕手 井野卓 らが在籍している。一軍投手コーチの 齋藤隆 も楽天時代からの旧知の仲だ。

経験豊富なリードが光る一方で、肩の衰えが深刻で、2013年の.333を最後に下降の一途を辿り、楽天最終年の2019年は盗塁阻止率が.075とほとんどフリーパス状態になってしまった。開幕前の練習試合では二塁への返球が投手の吉田大喜の頭部を直撃するという場面もあった。

野球の底力

2011年当時、嶋が所属していた東北の地は震災による甚大な被害に見舞われていた。そんな中開催されたチャリティーマッチでは、嶋が行ったスピーチのフレーズ「見せましょう、野球の底力を」は被災した人々を大いに励ました。

ヤクルト移籍となった2020年は、応援歌でもこの「底力」というフレーズが使われている。

選手会長とキャプテンシー

2012年12月から2017年12月までの5年間、労働組合日本プロ野球選手会の第8代会長を務めた。就任当時、27歳という若さだった。異例の抜擢には、前任した新井貴浩(当時阪神)たっての願いだったという。

侍ジャパン日本代表ではチームのキャプテンを務めるなど、チームの先輩後輩問わず人望が厚い。ヤクルトへ移籍が決まった後に参加したイベントでは、同席した則本が別れを惜しんで涙を流す場面もあった。

野村克也の教え

嶋が楽天に入団した当初、監督を務めていたのが野村克也だった。

野村克也といえばID野球と呼ばれるデータ重視の野球でかつてヤクルトを常勝球団へと導いた名将だが、それ以上に選手の人間力を高めることを重視していた監督だった。

野村は常々「根拠のあるリードをしろ」と口を酸っぱくして言っていた。まじめな嶋にとってこの指導は精神的に相当厳しいものであったと想像されるが、この経験が現在の成功に繋がっていることに違いない。

2020年からは野村がかつて指揮をとり、その教え子が今でも活躍しているヤクルトでプレイする。

球歴

プロ入り前

愛知県の中京大中京高校では内野手として甲子園に出場。岐阜の実家から片道2時間かけて通学していて、誰よりも練習量が多かったというが、これといって目立った選手ではなかった。

東都大学野球連盟に所属する國學院大學に進学してから、監督を務めていた竹田利秋に捕手への転向を勧められる。嶋の「人間性」の高さ、真面目さが転向の理由だった。

4年春には1993年春以来となるチームの一部リーグ昇格に貢献。4年の秋には東都の一部リーグでベストナインに選ばれた。2006年の大学・社会人ドラフトで、楽天に3位指名を受け、入団する。

プロ入り後

プロ入り1年目の2007年から野村克也監督に重用され、125試合に出場。2010年には自身初めて規定打席に到達し、ベストナインとゴールデングラブ賞を獲得。レギュラー捕手の座を確保する。

2011年は東日本大震災による復興支援と、統一球(いわゆる飛ばないボール)の影響で打撃成績は不振になるが、リード面では田中将大(現ヤンキース)を投手三冠、沢村賞に導く活躍で、最優秀バッテリー賞を田中と受賞した。

2013年は開幕から打撃好調で、下位打線を打ちながら48打点をあげる。守備面でも田中の24勝(0敗1S)を柱にしたものの、田中以外は人材不足の投手陣をリード面で支え、チームを創設初の日本一に導いた。

2016年以降は自身の故障や後進の台頭もあって出場試合が減っていき、2019年には自己ワーストの57試合出場にとどまり、同年オフに自由契約でヤクルトへ移籍した。

応援歌♪

歌詞

新たな場所で 今甦れ

嶋が培ってきた 底力

「かっとばせ!嶋!」

MIDI

コメント

移籍1年目に作成。

「底力」は2011年東日本大震災の際にスピーチ「見せましょう、野球の底力を」で反響を呼んだキーフレーズ。

外部リンク

https://npb.jp/bis/players/01905114.html(NPB)

https://www.yakult-swallows.co.jp/players/detail/700072(ヤクルト公式)

http://tsubamegundan.com/information.html (応援歌一覧。全国ツバメ軍団公式)

https://www.yakult-swallows.co.jp/photo (ヤクルト公式フォトギャラリー)

脚注

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2020年6月13日更新
執筆者:yoshi-kky