コロナによる自粛で例年にない開幕の後ろ倒しとなった日本野球界だが、開幕の足音が6月19日と、目の前に迫ってきている。
異例ずくしの2020年シーズンで、日本野球界(NPB)と選手会が慎重に特別ルールについての協議を重ねている。その中にひとつどうしても解せないルールがある。「外国人枠」の増枠だ。
目次
「特例2020」事項
「感染拡大防止特例2020」、通称特例2020が6月10日にNPBから選手会に提示され、概ね合意された。その中身を見ていこう。
延長戦は10回打ち切り
日程過密による選手への負担減のため、延長は10回までとする。
出場選手登録は「29人」から「31人」
1軍登録メンバーは2名増加の「31人」となる。感染予防のため予期しない選手の欠員が出るための配慮だろう。
ベンチ入り登録は「25人」から「26人」
ベンチ入り登録は1名増加の「26人」となる。こちらも2名増加でいい気がするのだが、間をとった折衷案的な感じで1名増加なのだろう。多分。
移籍期限は「7月末」から「9月末」
開幕が後ろ倒しになおったことにより、トレードなどの移籍期限も後ろ倒しになる。
ただ、この状況でトレードをしかけるのは選手にとって相当な負担を強いることになりますから、今年行われるトレードは相当少なくなるだろう。
コロナ騒動の前に提言されていた「現役ドラフト(ブレイクスルードラフト)」も当面は凍結されると思われる。
外国人枠が5人に!?
決定事項でこれだけはどうしても解せないのだが、外国人の登録枠が5人に増加されるそうだ。なんで?
試合出場が可能な選手を多く登録できるよう、という目的なのはある程度理解できるが、コロナで大変だからって国籍が変わるわけでもない。
現段階での決定事項では、登録可能人数だけ5人に増え、試合出場者数は4人のままということだが・・・選手会のほうもここについては一旦持ち帰って12球団内で慎重に協議を重ねていくそうだ。
12球団間で必ず生じる不公平
主力外国人の登録は開幕前の編成でほぼ固まっており、シーズン途中の補強もこの情勢では期待できそうにない。
これでは外国人に極力頼らない編成をしてきたチームが馬鹿を見て、何も考えずポンポン外国人を獲得しまくったチームが有利になってしまう。
それとも、コロナ感染リスクの高い地域から外国人を積極的に補強せよ、というお達しなのだろうか。いずれにしても、この案は12球団公平ではないし、どうしてNPBがこんな提案をしたのか、各チームの支配下外国人の登録人数による影響は考えられなかったのか、理解に苦しむ。
12球団同士で外国人選手の編成人数が違うのは当然だから、不平不満の声が出てくるのは当然と思われるのだが・・・これならいっそ登録人数を+3人とかにしてほしい。
少ない時間でどう折り合いをつけるか、注目していこう。
脚注
2020/06/14更新
yoshi-kky