【選手名鑑】井野卓/ヤクルト-チーム最年長捕手の「縁の下の力持ち」

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ツバメinfoの選手名鑑。井野卓は東京ヤクルトスワローズの捕手。チーム最年長捕手の「縁の下の力持ち」。陰ながら投手陣を献身的にサポートする。右投右打。

基本情報

選手名:井野 卓(いの すぐる)
利き手:右投右打
ポジション:捕手
生年月日:1983年11月23日(36歳)
年数:15年目
出身地:群馬県
来歴:前橋工高‐東北福祉大‐楽天(2005年大社7位-2012)‐巨人(2013-2014)‐ヤクルト(2015-)
身長体重(公称):178cm83kg

推定年俸

1400万円(単年契約)

背番号

63(2015-)

成績

2019年

7試合 .200(10-2) 0本0打点 OBP.200 OPS.500

NPB通算

116試合 .146(185-27) 0本9打点 OBP.177 OPS.345

登場曲

「煌めく瞬間に捕われて」MANISH

寸評

2018年8月16日、神宮球場でプレイする井野(公式フォトギャラリーより引用)
2018年8月16日、神宮球場でプレイする井野(公式フォトギャラリーより引用)

控え捕手一筋ながらチーム捕手最年長のベテラン捕手。

2018年は自己最多の47試合に出場も、2019年はわずか7試合の出場に終わる。今季は楽天時代の1つ後輩・嶋基弘 が加入し、捕手のポジション争いが加熱する。

脅威の生存力

こう言っては失礼かもしれないのだが、プロ通算14年で万年控え捕手で通算出場試合は僅か116試合、それもほとんどが守備固めによる途中出場でとても目立った存在ではない、しかも生え抜きでもない井野が15年もプロ野球界に現役で残れるのは異常だ。

他球団を見渡すと岡崎太一(阪神。通算119試合、実働16年)、白濱裕太(広島。通算84試合、実働17年)といった面々がいる。しかし、彼らはドラフト1位で入団してそのキャリアを同一球団で全うしている選手である。

では、何故井野のような2度も球団から放出されている(1度目はトレード、2度目は自由契約)選手が15年間もプロ野球で生き残れているのか。

ひとつには、単純にヤクルトに捕手がいないから。ヤクルトには現在支配下に7人の捕手がいるが、半数は2軍出場の多い若手で、怪我人が出ると2軍の試合が回らなくなることもあり得る。実際、今季は正捕手の中村悠平が開幕早々に負傷離脱し、開幕2戦目にして井野に1軍招集がかかった。

ふたつには、投手や首脳陣からの信頼がモノを言っているのだろう。中村の負傷でスタメンマスクを被ることが多かった時期も「自分は繋ぎの代役」と謙遜。井野とバッテリーを組む機会が多かった原樹理もしきりに井野に感謝の言葉を口にし、井野とのコンビでプロ初完封も井野の好リードの産物とも言えるだろう。

投手力に苦しむシーズンが続くヤクルトだが、井野の縁の下の力持ちとしての活躍で、状態を改善してほしい。

球歴

プロ入り前

前橋工高時代は甲子園出場を経験。

仙台六大学リーグの東北福祉大では強肩攻守の捕手として活躍し、3年春に全国制覇に導いた。日本代表メンバーにも選出された。

4年秋の明治神宮大会準決勝ではサヨナラ打をマークし、チームの大会準優勝に貢献。2005年ドラフトで、創設1年目だった地元球団の楽天から大学社会人ドラフト7巡目で指名を受け、入団。

大学の同期であった松崎伸吾も同じく楽天にドラフト1位で入団。

プロ入り後

楽天時代はレギュラー捕手の座を掴むことができず、2008年の23試合出場がキャリアハイ。2012年シーズンオフに横川史学とともに巨人へトレード移籍。交換相手は金刃憲人と仲澤広基。

巨人時代は移籍1年目の2013年に10試合に出場するも、目立った実績は残せず、2014年オフに自由契約。相川亮二が巨人へFA移籍したことによりベテラン捕手が不足していたヤクルトへの移籍が決まる。

ヤクルト時代は主に控え捕手として一軍機会を得る。

2018年には自己最多の47試合に出場、スタメンマスクも25回被るなどプロ入り13年目にして飛躍のシーズンになった。特にシーズン後半は原樹理とバッテリーを組む機会が多く、当時エース候補として期待されながらも伸び悩んでいた原を好リードしてプロ初完封に導く。原自身も井野との相性の良さを強調した。

2019年は前年の活躍から一転、わずか7試合の出場。それでもチームにベテラン捕手が少ない事情から残留が決まった。2020年は楽天時代の後輩・嶋基弘が加入してチーム内の競争が激化する。

応援歌♪

歌詞

磨き上げた技と その熱いハートで

我らを導けいざ 勝利への道へと

「かっとばせ!すぐる!」

MIDI

コメント

2018年の活躍を受け、プロ入り14年目にして初めて専用応援歌が作成されたが、2019年シーズンはわずか10打席に終わってしまい、ほとんど演奏される機会がなかった。

2020年シーズンこそは球場でこの応援歌が演奏される機会が増えてほしいが、コロナ自粛の影響で当分は鳴り物入りの応援は自粛となる。鳴り物入りの応援が解禁される時まで現役を続けてほしい。

外部リンク

https://npb.jp/bis/players/81185112.html(NPB)

https://www.yakult-swallows.co.jp/players/detail/600046(ヤクルト公式)

http://tsubamegundan.com/information.html (応援歌一覧。全国ツバメ軍団公式)

https://www.yakult-swallows.co.jp/photo (ヤクルト公式フォトギャラリー)

脚注

選手名鑑トップ
2020年6月30日更新
執筆者:yoshi-kky