ヤクルトへトレード移籍が決まった田口麗斗とは?|廣岡大志との惜別

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3月1日、キャンプイン直後のオープン戦入り間近という局面で電撃トレードが決まりました。通算7年間で162登板、36勝37敗19HPという実績を持つ左腕・田口麗斗とヤクルト在籍5年間で通算21本塁打未完の大砲・廣岡大志の1対1トレードが決まった。本項では両者のプロフィールと今回のトレードの展望について見ていきます。

実力派左腕がツバメの一員に!

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ヤクルト入団が決まった田口麗斗(写真は巨人時代)

先発リリーフこなせる鉄腕サウスポーがツバメの一員に加わる!

ヤクルトは1日、廣岡大志内野手のトレード相手として、田口麗斗投手(25)の獲得を発表しました。

プロ通算7年間で36勝と実績十分。優勝も経験した左腕の加入は若手中心メンバーのヤクルトで一際大きな存在となるでしょう。

田口麗斗のプロフィール

田口麗斗(たぐち・かずと)は広島県広島市出身、1995年9月14日生まれの25歳。公称171cm83kg

広島新庄高校を経て2013年ドラフト3位で巨人へ入団。2年目の2015年に1軍デビューすると、3年目の2016年、4年目の2017年に連続で2桁勝利をあげてブレイク。

2019年はリリーフとして55試合に登板するなど、先発リリーフともにこなせる貴重な存在。2020年は怪我の影響があったが、14先発含む26試合に登板して巨人の投手陣を支えました。

田口麗斗の年度別成績

年度登板勝利敗北セーブHHP完投投球回防御率
2015 13350000662.71 
2016 26101000021622.72 
2017 2613400031703.01 
2018 16280001864.80 
2019 5533114170654.13 
2020 26571220894.63 
16236372161966403.49

田口麗斗はどんな投手?

田口は身長171cmながら切れ味鋭いストレートとスライダー、チェンジアップを織り交ぜた緩急ある投球スタイルが武器。

平均球速は140km/h前後ながら、試合で投げる球種の8割近くがストレートとスライダーの組み立て。スリークォーター気味のフォームからクロスファイヤーでコースを突く投球は右投手に有効な一方で、左投手ながら左打者への被打率が高いという弱点もあります。

田口麗斗の経歴

高校時代は広島新庄高校のエースとして活躍。瀬戸内高校のエース・山岡泰輔(現オリックス)と県大会決勝で繰り広げた0−0の延長15回スコアレスドローの投げ合いは今でも高校野球ファンの語り草となっています。

プロ入り後はプロ入り2年目から頭角を表し、3年目には10勝(10敗)をマークするなど早くから一軍の舞台で活躍。その後はリリーフ転向するなど、巨人の投手陣を支え続けました。

私生活では2016年オフに高校時代の後輩であった一般人女性と結婚。趣味は料理。

ヤクルトでの役割は?

ヤクルトでは貴重な先発をこなせる左腕としての期待が高い。

ヤクルトの先発候補で計算が立つのは、先日開幕投手として指名されたエースの小川泰弘ぐらいで、小川の他は若い投手陣が枠を争うなど人材が豊富とはいえない状況。

田口は先発リリーフこなせる存在ではありますが、苦しい台所事情の先発ローテの一角として役割を託されるでしょう。

ちなみに田口は今春、巨人での一軍キャンプを右太ももの張りで離脱。ヤクルトでは開幕してしばらくしてからの一軍合流となるでしょう。

ヤクルトでの背番号は34に決定。昨年自由契約で退団した山田大樹がつけていたように、左腕の印象が強い。というのも、34は国鉄スワローズ時代の英雄・金田正一さんがつけていた背番号であるから。ちなみに、巨人でもプレーした金田は引退時に在籍した巨人で34を永久欠番としています。

廣岡大志との惜別

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巨人への移籍が決まった廣岡大志

出会いあれば別れあり…

未完の大砲・廣岡大志は、結局ヤクルトで大きく花開くことなくツバメの巣を旅立ってしまいました。

廣岡は高卒1年目の2016年、三浦大輔(現DeNA監督)から初打席初本塁打をマークする鮮烈なデビュー。

しかし、2年目以降は伸び悩み、2019年には開幕から41打席連続無安打という不名誉な記録を作ってしまう。それでも同年には自身初の2桁本塁打をマークし、大化けの可能性を感じさせていました。

2020年は遊撃手のポジションを争うエスコバーや西浦直亨の不振など、レギュラー奪還のチャンスは大いにあったものの、自身も打撃不振に陥ってしまい、レギュラー奪取とはいきませんでした。

新しく挑戦した二塁手や右翼手などのポジションを務めるなど、ユーティリティな活躍としての期待も。

長年ブレイクの予感を感じさせながら、レギュラー奪還とはいかなかった廣岡。移籍先の巨人には智辯学園高校時代の先輩・岡本和真がいることも追い風になるのではないでしょうか。

これからはライバルチームの選手となる廣岡ですが、移籍先で大志が花開くことを祈りたいです。

廣岡大志の年度別成績

年度打率試合打席打数得点安打二塁打三塁打本塁打塁打打点
2016 0.4292772300163
2017 0.251131286710081
2018 0.2094512511511246023610
2019 0.20391243202324161107925
2020 0.2158714212115264085415
0.214236548473661011712118354

トレードの背景

ヤクルトは基本的にパリーグ球団とトレードをする傾向があり、セリーグ球団とのトレードは1999年オフに野村克則を阪神へ無償トレードした以来。

巨人とのトレードとなると44年前、1976年オフまで遡ることになります。

内川聖一やバンデンハークの獲得など、他球団からの戦力補強を積極的に仕掛けているヤクルトですが、今後は今までになかったような同一リーグとのトレードも積極的に行われるのではないでしょうか。

脚注

yoshi-kky