2020年シーズンも終わり、ヤクルトはセリーグ6位という結果に終わりました。2020年シーズンを振り返り、1軍で特に成長した選手を振り返っていきます。タイトルホルダーの村上や清水の他にどのような選手がいるでしょうか。
目次
昨年に続いて抜群の成績を残した村上
村上宗隆

2020年成績:120試合 .307(424-130) 28本 86打点 出塁率.427 OPS.1.012
☆最高出塁率 ◎全試合出場 ◎リーグ最高OPS ◎初の3割
高卒3年目の20歳であることを忘れてしまうほど、チームの主軸として素晴らしい活躍だった。
シーズン中盤に途中交代した試合があったため、フルイニング出場はならず。それでも120試合という成績は立派だ。
36本を放ち新人王に輝いた昨年から続いて長打力は健在。OPS1.012は堂々のリーグ1位だ。課題と言われていた打率面でも一時期は首位打者も狙えるほどの位置につけ、初の3割をマーク。
内野守備では20歳ながら先輩投手に臆さず声をかけにいく姿も目立った。リーグ2位の14失策とまだまだ守備に課題はあるが、これだけ打撃で貢献できれば些細なことだろう。だが、村上はこの弱点もオフシーズンに必死に克服しようと努力することは間違いない。
間違いなく将来のスワローズを背負って立つ存在であり、このクラスの選手に「成長」などという表現をするのも烏滸がましいほど。素晴らしい活躍のシーズンで、オフの年俸はどれほど跳ね上がるかに注目が集まる。
清水昇

2020年成績:52試合 防御率3.54 0勝0敗30H 53.1回 58奪三振 WHIP1.14
☆最優秀中継ぎ投手
打の成長株が村上なら、投の成長株はこの清水だろう。
2018年ドラフト1位で國學院大から入団したが、1年目は期待に応えることができなかった。しかし、1年目オフにストレートの質が大幅に向上し、2年目はオープン戦で結果を残す。開幕してマクガフからセットアッパーの座を奪うと、そのままシーズン通して活躍し、30Hで最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。
シーズン序盤から絶好調で、開幕から11試合連続無失点をマーク。シーズン終盤は疲れからか打ち込まれるシーンも多かったが、年間通してセットアッパーの座を譲らなかった。
最下位のチームにあって中々ホールドチャンスが巡ってこないシーンもあったが、中日の祖父江・福とならんで30Hをあげた。
吉田大喜

2020年成績:14試合 防御率 2勝7敗 67.1回 奪三振53 WHIP1.69
2019年ドラフト2位で日体大から入団したルーキー。
ルーキーながら14試合に先発し、苦しい台所事情を支えた。2勝7敗と負けが先行しているが、チーム事情や援護の無いことも影響している。
先発投手として落ち着いたマウンド捌きで試合を作ることに長けているという印象。状態が悪いなりに投球をまとめることができる。多彩な変化球が持ち味だが、勝負球が増えるとますます投球に磨きがかかるだろう。
14試合に先発して67.1回は1試合あたり平均4.78回と投球回に課題。ただこれはチーム方針もあり、来年以降は長い回を任せられることだろう。
長谷川宙輝

2020年成績:44試合 防御率5.82 1勝2敗7H 43.1回 奪三振45 WHIP1.68
ソフトバンク育成からヤクルト支配下契約を勝ち取ったシンデレラボーイ。幼少期からヤクルトファンであった話題性が先行していたが、その実力も十分だった。
開幕から1軍ベンチ入りすると、そのままシーズン通して1軍に帯同。44試合に登板してプロ初勝利もマークした。
シーズン通して戦う体力が足りないかといった印象だったが、それはこれから体力をつけてくるだろう。良い時は凄い球を投げるのだが、悪い時は大崩れしてしまう。調子の波を減らせば、今後セットアッパーとして定着できる存在だ。
寺島成輝

2020年成績:30試合 防御率2.48 1勝0敗3H 36.1回 27奪三振 WHIP1.54
2016年ドラフト1位。鳴り物入りで入団したが、プロ3年間は思うような活躍ができなかった。リリーフとして1軍メンバー入りした今季は、途中怪我による離脱があったものの30試合に登板とブレークの兆し。7月7日にはプロ初勝利もマークした。
落ち着いたマウンド捌きで大崩れしない左腕。ロングリリーフ要員としてシーズンを戦ったが、やはり先発投手としての活躍を見たい。リリーフ陣は同期の梅野雄吾などが活躍しており、チーム事情的にも来季は先発転向が望まれる。
宮本丈

2020年成績:94試合 .274(146-40) 2本 12打点 出塁率.361 OPS.731
2017年ドラフト6位で入団した3年目内野手。村上とは同期。
得点力不足が顕著だった今季だが、宮本の台頭は楽しみな存在。レフト前にヒットを運ぶ技は類まれな野球センスを感じるし、鋭いスイングで2本塁打をマークするなど長打力もある。
ただ、94試合出場で打席数が171と、かなり出場試合数が限定された。ユーティリティというと聞こえはいいが、ポジションをたらい回しにされて守備面でのミスも少なくなかった(失策3)。
シーズン終盤は本職でない外野守備での出場が続き、廣岡大志と共に来季の台頭が楽しみな存在だ。
2021年シーズンの飛躍に期待
村上と清水はド派手な活躍を残したが、それ以外の選手はまだ成長途上。彼らに限らず、2軍で台頭してきた金久保優斗や濱田太貴の存在もある。
ドラフトで獲得した即戦力ルーキーの存在とともに、チームは着実に若返りを実現している。
シーズンは終わったばかりだが、今から2021年シーズン開幕が楽しみで成らない。
補足
OPS=出塁率+長打率
WHIP=1イニングあたりの出塁数
ここらへんの指標もオフシーズンに詳しく特集したいなあと思ってます。
脚注
yoshi-kky