ツバメの次世代を担う若手投手陣を見ていこう-若手ホープ久保拓眞、金久保優斗ら

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現在セリーグ最下位(9/23時点)と苦しんでいるヤクルトだが、ファームでは次世代の先発ローテを担う投手陣が次々と台頭してきている。今回は、次世代のスター候補生の紹介ということで、ファームで活躍しているプロスペクト投手の様子を見てみよう。

※成績は9/23時点のもの。

結果を残しつつある若手投手陣

一軍の先発投手陣はエース小川泰弘がリーグ2位の9勝と一人気を吐いているが、それ以外の投手を見渡すとすべて2勝以下(高梨裕稔とスアレスは集計後に3勝目を達成)と、壊滅状態にある。

一軍の戦力がこの惨状だと、期待したいのは二軍の若手投手、あるいは他球団やアマチュア球界などからの新戦力である。実際、9月6日に歳内宏明(BC香川)を獲得し、16日には一軍先発デビューを飾った。

今回は、そんな歳内をはじめとする、期待のホープである若手投手陣の状況を見ていこう。

表。ヤクルト先発投手陣の成績(~9/13)

歳内宏明

先述したように、BC香川でプレーし、好投を続けていたところにヤクルトが目をつけて入団合意に至った。昨年までは阪神でプレーしていた歳内だが、阪神では故障などの事情でなかなかプレー機会に恵まれなかった。

目立った球はないものの、安定してストライクをとることができるのは魅力で、ヤクルト投手陣に足りなかった存在。歳内は阪神時代に2勝をあげているが、いずれもリリーフでの勝ち投手。NPBで先発勝利を掴みたい。

久保拓眞

九州共立大から2018年ドラフト7位で入団した大卒2年目左腕。

現時点のヤクルト2軍投手陣で最も評価が高いのはこの久保だろう。大学時代に故障経験があり、プロ入り時の評価は決して高いものではなかったが、実戦で好投を続けて評価が急上昇している。

今季は一軍でリリーフとして3試合に登板し、8月8日の試合では3回1失点の内容にまとめた。以降はファームで先発登板が続いており、今季中に一軍先発デビューも十分狙える

最大の武器は鋭く大きく曲がるスライダーで、特に左打者相手に絶大な効果が表れている。左打者だけでなく、右打者の懐に切れ込むように使うことも出来るため、非常に高い奪三振能力がある。スライダーだけでなく、右打者にはチェンジアップが有効で、この組み合わせで打者の左右関係なく打ち取ることができる投手。

今季ファームでは10試合に登板して25.2回を投げて防御率2.10という好成績。先発投手としては長いイニングを投げる経験を積むのが課題だろうが、将来が楽しみな投手である。

金久保優斗

東海大市原望洋高から2017年ドラフト5位で入団した高卒3年目右腕。

ルーキーイヤーに右肘を手術し、苦しいシーズンが続いていたが、3年目の今季は先発としてハイレベルな投球を続けている。

故障歴があり、慎重に状態を見極めていくと思われるが、若手右腕で最注目の存在。状態次第ではシーズン終盤で1軍デビューもあり得るのではないか。

制球よくアウトコースに決まる直球と、空振りを奪えるスライダー、フォークが持ち味。9月8日のファームDeNA戦(横須賀)では、一軍実績の豊富なロペスから空振り三振を奪うなど、一軍でどれだけ通用するか楽しみな存在。

今季はファームで11試合に登板して17.1回を投げて防御率4.67。

市川悠太

明徳義塾高から2018年ドラフト3位で入団した2年目右腕。サイドスロー気味のスリークォーターから繰り出される球が持ち味。投球の際に左足を二塁方向に折り曲げ、体全体で投球するの特徴。どこか近藤一樹と投球スタイルが近いような気もする。

高校時代には秋の神宮大会で優勝を経験しており、一軍の舞台で神宮デビューが待たれる。

今季ファームでは3試合の先発登板も経験しており、将来的には先発ローテ投手として大きな期待がかかる選手。ファーム成績は8試合に登板して23回を投げて防御率5.87。

鈴木裕太

日本文理高から2018年ドラフト6位で入団した2年目右腕。

今のところ中継ぎ登板のみであるものの、ファームで18試合に登板している。将来的には、苦しいブルペン事情を支えてくれるタフな投手となることを期待したい。

ファーム成績は18試合に登板して18回を投げて防御率4.74。

奥川恭伸

星稜高から2019年ドラフト1位で入団した1年目右腕。

3球団が1位入札した、言わずと知れた超大物ルーキーだが、現在はノースロー調整から明けて8月頃からキャッチボールを再開したという段階。

実戦復帰は慎重に様子を見ながらになるとは思うが、持っているポテンシャルは図抜けている。ファームでは4試合に先発して防御率4.05。投球回6.2で奪三振9という数字に、彼の投球レベルの高さが現れているだろう。

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脚注

2020/09/25

yoshi-kky