ツバメinfoの選手名鑑特集。村上宗隆は東京ヤクルトスワローズの内野手。主に一塁手、三塁手として活躍している。広角に長打を飛ばしまくる「令和の怪童」。シーズン36本のうち、実に半数の18本がセンターから左方向への打球。10代での36本塁打はNPBタイ記録。5つ下の弟も186㎝の巨体で、今年から高校野球に挑戦。右投左打。
目次
基本情報
選手名:村上 宗隆(むらかみ むねたか)
利き手:右投左打
ポジション:一塁手、三塁手
生年月日:2000年2月2日
年数:3年目
出身地:熊本県熊本市
来歴:-九州学院高校-ヤクルト(17年1位)
身長体重(公称):188㎝97㎏
推定年俸
4,500万円(単年契約)
背番号
55(2018-)
登場曲
「Happiness」Arashi
「夢」GReeeeN
「ロッカールーム」AK-69
獲得タイトル
新人王(2019年)
寸評
広角に長打を飛ばしまくる「令和の怪童」。シーズン36本のうち、実に半数の18本がセンターから左方向への打球。
2019年の東京ヤクルトスワローズを振り返ると、このシーズンはこの男・村上宗隆のためにあったと言ってもいいだろう。
全143試合に出場はチーム唯一で、36本塁打は山田哲人 、バレンティン をさしおいてチームトップ。96打点も山田哲人(98打点)に次ぐチーム2位だった。右投手の反速球に滅法強い一方で、シーズン前に課題とされた一軍レベルの投手の速球への対応も難なく順応してみせた。
8月12日の逆転サヨナラ弾をはじめ、シーズン通して劇的でド派手な一発を放ち、コンスタントに大暴れした。シーズンどの場面を切り取っても村上宗隆の活躍が光っている。
ただ、2冠に輝いたソト(DeNA)とは7本塁打差、12打点差と、打撃タイトルは十分射程圏にあったが、届かなかった。最下位のチームで周りに強打者がいる中、マークが分散されるのもあってチャンスが多く回ってきたものの、得点圏打率.252はチームの主軸としては少し寂しい。貪欲に打点を稼ぐことのできるバッティングを出来れば鬼に金棒だろう。
リーグワーストの.231と184三振(セリーグ記録)を指摘する声もあるが、まだまだ高卒3年目の若武者だ。粗を指摘することよりも、持ち味の長打力を活かすため、バットを振り続けてもらいたいところだ。
ちなみに、高校時代は捕手だったので、内野手守備はプロに入ってから始めた急増の内野手。首脳陣も、多少のエラーは大目に見る算段。
弟も令和の怪童?
村上には5つ下の弟がおり、2019年のファン感謝祭で熊本から兄を応援しに駆け付け、ファンの前でステージに立ち、大衆の面前で兄をイジりたおすなど、兄顔負けのビッグマウスを披露した。
この時点で中学3年だったわけだが、186㎝の兄顔負けのガタイを持ち、中学時代に野球をしていたとのことなので、この春から高校野球の道に進むと思われる。令和の怪童の弟はどんな進化を見せるのか、今から注目が集まる。
中西太からのアドバイス
2019年の村上宗隆は、当時の最年少記録を次々と塗り替えていったが、それまでの記録を保持していた者は遡ること66年、1953年の中西太(86歳。当時西鉄ライオンズ)だ。
村上が自信のバットで記録を塗り替えるたび、連日のように中西太の名前が報道された。元祖怪童とも呼ばれた中西太はこのことについて「うれしいこと」と述べ、自身の経験からひたすらバットを振ることの重要性を村上に説いた。
中西は4月生まれだが、村上は早生まれの2月。グラウンドに立つ以上、生まれた年も月も関係ないことだが、早生まれの村上の底知れぬポテンシャルには見る者を魅了する力がある。
球歴
プロ入り前
熊本・九州学院高校では高校1年の夏から4番に座り、甲子園に出場。同世代の清宮幸太郎(当時早稲田実業。現日本ハム)がメディアに派手に取り上げられる中、甲子園デビューしたが、一回戦敗退に終わった。
それ以降は同地区の強豪・秀岳館高校に甲子園出場を阻まれ、甲子園出場は1年夏の1回のみとなった。
全国大会に何度も出場して、全国的な知名度と話題性があった清宮幸太郎、安田尚憲(履正社高校。現ロッテ)と比べ、一般的知名度はなかったものの、プロからの評価は高かった。2017年ドラフトでは目玉の清宮幸太郎を外したヤクルト、巨人、楽天の3球団から1位指名を受ける(抽選の結果ヤクルトが交渉権を獲得)。
高校時代は捕手に専念していたが、村上を指名したヤクルトは内野手で起用することを明言。入団会見時にはチームのスラッガー・山田哲人 とバレンティン に弟子入りを志願した。
プロ入り後
1年目の春からオープン戦で出場、フレッシュオールスターでも4番に座るなど大舞台での実践を積む。
1軍公式戦デビューとなった9月16日の広島戦で6番・三塁でスタメン出場し、岡田明丈から初打席初本塁打の強烈なデビューを果たした。一軍での安打はこの一本のみに終わったが、オフではイースタンリーグの優秀選手賞として表彰を受けた。
2年目はオープン戦から打撃好調で、開幕スタメンの座を勝ち取る。一塁のレギュラーであった坂口智隆 の負傷離脱など、チーム事情からシーズンのほとんどを一塁に専念することになる。
5月11日には早くも2桁本塁打に乗せ、交流戦に入っても勢いは衰えず、オリックスを除く10球団からの本塁打を早々に達成した。中でも6月4日の日本ハム戦で、同学年のライバル・清宮の目の前で打ったバックスクリーンへの一撃は強烈な印象を植え付けた。
オールスターゲームで三塁手部門でファン投票1位に選出されると、夏場以降はさらに調子を上げ、8月12日のDeNA戦では史上最年少でのサヨナラ本塁打を放つ。この頃からメディアでは連日最年少記録が報じられるようになり、最終的には全143試合に出場し、36本塁打96打点という数字を残したものの、打撃タイトル獲得とはならなかった。
新人王は、リーグの新人安打記録を更新し、最多盗塁王のタイトルを獲得した近本光司との一騎打ちになったが、記者投票では39票差という僅差で新人王争いを制した。
http://npb.jp/award/2019/voting_rok.html
応援歌♪
歌詞
(前奏:闘志溢れる一打 今こそ放てよ「村上!」「村上!」「村上!」「村上!」)
選ばれし猛者集う地で 強く咲く大輪
肥後より携えし力 今こそ解き放て
「かっ飛ばせ!村上!」
MIDI
コメント
プロ2年目の2019年シーズンより使用開始。
2018年の初打席初本塁打という鮮烈なインパクトを残し、翌年シーズンインと同時に力作が発表された。
Cマイナーを基調としたメロディーで、パリーグの左の大砲・吉田正尚(オリックス)の応援歌とコード進行が似ている。
プロスピA評価
36発の長距離砲は堂々のパワーA。
低打率の影響かミートは低いが、今年の好調でさらなる能力アップが見込まれる。
外部リンク
http://npb.jp/bis/players/41845136.html (NPB)
https://www.yakult-swallows.co.jp/players/detail/1700084 (ヤクルト公式)
http://tsubamegundan.com/information.html (応援歌一覧。全国ツバメ軍団
公式)
https://www.yakult-swallows.co.jp/photo (フォトギャラリー)
脚注
2020年5月25日更新
2020年7月8日更新
執筆者:yoshi-kky