こんにちは。yoshi-kkyです。
今回から、不定期連載として、東京ヤクルトスワローズの過去の名試合を振り返っていきます。
往年のファンの方や、最近のファンの方も懐かしんだり、歴史を感じながら読んでいただければと思います。
第1回目の今回は、読者の皆様にも記憶に新しい、2017年の”10点差逆転サヨナラゲーム”を取り上げたいと思います。
目次
試合を決めたのは美味しいところ取りの”苦労人”の一撃!
2017年7月26日(水曜日)
東京ヤクルトスワローズ対中日ドラゴンズ15回戦:明治神宮野球場
2013年から毎年開催されている緑色のユニフォームを観客全員(ビジター応援席を除く)に配布している人気イベントの一試合。
5回表終了時点で10点ビハインドと、球場全体が諦めムードに包まれるなか、ツバメ打線が”燕(エン)パワー”を発揮した。
試合を決めたのは”苦労人”の一撃!緑一色のスタンドが歓喜に包まれる。
スコア
中日 030 340 000 0 10 11 1
ヤクルト 000 000 280 1x 11x 15 2
勝:石山(2勝4敗)負:伊藤(0勝1敗)
本塁打
中日:藤井3号2ラン(2回)
ヤクルト:中村1号2ラン(8回)、バレンティン16号2ラン(8回)、大松2号ソロ(10回、サヨナラ)
バッテリー
中日:大野、福谷、岩瀬、又吉、伊藤-松井雅人、武山
ヤクルト:星、土肥、山本、ルーキ、石山-西田、中村
観衆
28,654人
戦評
ヤクルトの先発はルーキー右腕・星知弥。
明治大学からドラフト2位で入団し、早くも一軍初勝利をあげているルーキー右腕だが、この日は制球が定まらず大乱調。2回にビシエドのタイムリーと藤井の2ランで先制を許すと、その後も制球に苦しみ、5回を投げて被安打9、与四死球5で10失点(自責9)と散々の内容で試合の大勢が決する。6回からの継投は2年目の土肥、怪我開けで調整登板が続いていた山本で繋ぎ、消化試合モードに入る。
7回裏に中村の2ランでやっと2点を返すも、焼け石に水の雰囲気。
8回は先頭の山崎の内野安打を皮切りに、バレンティンが2ランを放ち6点差とすると、球場の雰囲気が俄かにざわめき立つ。
7回まで打ちあぐねていた中日のエース・大野をマウンドから引き摺り下ろすと、その後も立て続けに送り込まれてくる中日リリーフ投手陣を攻め立てる。
一死満塁から上田の犠飛で5点差とすると、中村のタイムリーで4点差、坂口のタイムリーで3点差、この回2度目の打席に立った山崎が今度はタイムリーを放ち2点差と、じわじわと詰め寄る。
2点差に迫り、二死満塁の好機でチームの主軸・山田がレフト前に2点タイムリーを放ち、ついに試合は振り出しに戻る。
その後は両チームリリーフ投手が踏ん張るものの、10回裏に代打出場した大松がライトスタンドにサヨナラホームラン。
前年に右アキレス腱を断裂し、戦力外からヤクルトの契約を勝ち取った苦労人が、代打の一振りで試合を決め、美味しいところ取りを果たした。
10点差をつけられての逆転勝ちは20年ぶり4度目の史上タイ記録。
背景
2017年シーズンのスワローズは球団史上最悪の成績(45勝96敗2分)で終わり、7月末に行われたこの試合でも最下位がほぼ確定しているという状況でした。
この日の神宮はレフトスタンド8ブロックをスワローズ応援席として開放し、緑色のユニフォームを配ると試合前から駆け付けたファンがスタンドを緑一色に染め上げた。
期待のルーキー・星知弥は5回まで投げるも、制球を乱して四死球で走者を溜めて失点するという悪循環。
半ば諦めムードが漂い、周囲からは応援ムードが消えつつあったのですが、8回からは球場が異様な雰囲気に包まれ、大松のサヨナラ本塁打で球場の雰囲気は最高潮に達する。
最前線に飛び込むソロホームランだったと思うのですが、スタンドからはホームランかどうか分かりかねる当たりでした。それでも打球の行方よりも、球場の雰囲気が本塁打と告げてくれたような盛り上がりを見せます。
結局、このカードは3連勝を果たすも、2017年シーズンのカード勝ち越しはこれが最後になってしまう。2年前に胴上げを経験した真中満監督が辞任する運びとなってしまったが、2017年唯一といってもいい劇的な勝ち方は後年になっても語り草となるでしょう。
ギャラリー
外部リンク
https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2017072602
https://www.yakult-swallows.co.jp/pages/info/special/tokyo_en_project/2017/detail
脚注
更新日:2020/04/22
yoshi-kky