ツバメinfoの選手名鑑特集。石川雅規は東京ヤクルトスワローズの投手。主に先発投手として活躍している。公称167㎝と小柄ながら長年ツバメの先発投手陣を支え続ける「小さな大エース」。不惑を迎えるシーズンだが、あと29勝に迫った通算200勝を目指し、神宮のマウンドで戦い続ける。愛称は「カツオくん」。息子はスワローズジュニア代表のメンバー。左投左打。
目次
基本情報
選手名:石川 雅規(いしかわ まさのり)
利き手:左投左打
ポジション:投手
生年月日:1980年1月22日
年数:19年目
出身地:秋田県秋田市
来歴:-秋田商業高校-青山学院大学-ヤクルト(01年自由獲得枠)
身長体重(公称):167cm73kg
推定年俸
1億500万円(単年契約)
背番号
19(2002年-)
成績
2019年
23試合 8勝6敗 124.1回 ERA3.84 WHIP1.15 88K
通算
472試合 171勝163試合 2794.2回 ERA3.87 WHIP1.27 1612K
主な球種
ストレート(最速139km/h)、シンカー、シュート、スライダー、カットボール、チェンジアップ、カーブ
カーブやシンカーは速いものと遅いものを使い分けている。2020シーズンはナックルカーブを習得中とのこと。ストレートを投げる割合は全体の1割ほど。
ストレートの投球割合自体は少ないものの、「強いストレートを投げてはじめて変化球が活きる」が持論。
シンカーは文献によってはスクリューと表現されることもある。
登場曲
「Hope」安室奈美恵
獲得タイトル
最優秀防御率(2008年)
新人王(2002年)
ゴールデングラブ(2008年)
寸評
不惑を迎える大ベテランは、衰え知らずの投球術でツバメの投手陣を支え続ける。
2019年シーズンは規定投球回数未到達ながら、チームトップの8勝をあげ、チームの苦しい先発投手陣の支えとなった。低めへの投球が全体の半数近くを占めるなど、球界屈指の投球術はまだまだ健在。
2008年に最優秀防御率獲得タイトルのためにリリーフ登板したとき以来、全試合で先発登板している。
かつて師と仰いだ山本昌(元中日)のように、長く現役で活躍して同氏以来のNPB通算200勝を達成してもらいたいところだ。
ピックアップ
03年オフに青山学院大学時代の同級生と結婚したが、長男の大耀(だいや)くんは2016年スワローズジュニアのメンバーにも選出された。
次男は栄寿(えいす)くんと、石川投手の愛読書である漫画「ダイヤのエース」からとった名前だとよく勘違いされるそうなのだが、大耀くんは漫画連載開始前に誕生しており、直接の関係はないそうだ。
球歴
プロ入り前
秋田市立秋田商業高校ではエースとして活躍し、甲子園にも出場し、1学年下の和田毅(浜田高)に投げ勝つ。
青山学院大学時代はシンカーを習得し、3年時の2000年にはシドニーオリンピックの代表メンバーにも選出。01年ドラフトでは複数球団が自由獲得枠での獲得を検討しており、中でも巨人の入団が有力視されていたが、巨人は寺原隼人(日南学園高校、抽選の結果福岡ダイエーホークスが交渉権を獲得)を指名したため、ヤクルトが自由獲得枠での獲得に至った。
ちなみに、石川雅規を回避して巨人が指名した寺原隼人、真田裕貴は後にヤクルトでチームメイトになっているが、いずれも石川よりも早く引退している。この年のドラフトでは近鉄7位に甲子園優勝高校の近藤一樹(日大三高)も後にチームメイトとなっており、何かとヤクルトに縁のあるドラフト会議だった。
プロ入り後
ルーキーイヤーの2002年は開幕からローテーション入りし、年間を通した活躍で12勝(9敗)をあげ、吉見祐治(元横浜)との新人王争いを制する。
2003年から2006年まで球団史上初の入団から5年連続の2桁勝利をあげるが、2007年は春先から調子を落とし、中継ぎへ配置転換され、1軍と2軍を行ったり来たりで、プロ入り最低の4勝に終わる。それでも、シーズン終盤にはプロ初終盤をあげるなど、翌年以降への復調の兆しを見せた。
2008年はかつての投球を取り戻し、初の主要タイトルとなる最優秀防御率とゴールデングラブ賞を獲得。シーズン終盤にはタイトル獲得目的のための投球回数調整の目的でリリーフ登板したが、相手の送りバントで難なくワンアウトをとり、無事にタイトル獲得となった。
2008年まで3度の開幕投手を務めるなど、ヤクルトの投手陣として奮闘するが、勝ちと同じく負けも積み重ね、勝率は毎年5割そこそこであったため、「10勝しても10敗する投手」や「消去法エース」などと揶揄されたが、2009年は自己最多の13勝(7敗)をあげ、館山昌平(最多勝、16勝(6敗))とともにダブルエースとしてチームを牽引し、初のクライマックスシリーズ進出に導いた。
2015年は開幕から状態が上がらなかったものの、優勝争いを繰り広げていた夏場以降に状態を急激に上げて、特に9月は5戦5勝の大活躍。マジック3が点灯した9月27日の敵地巨人戦では40度の高熱があったものの中四日でマウンドに上がり、5回1失点で、決勝タイムリーを放つなど、エース復活のイメージ以上に13年間もの間未経験だった優勝への執念を感じさせた。2015年リーグ優勝の立役者は数多くいれど、この小さな大エースの執念なくしては勝ち取れなかっただろう。
プロ入りから8度の開幕投手(2005-06,08-12,17)に指名されているが、これはドラフト後では松岡弘(1971-77,79)に並ぶヤクルト球団最多タイ。2020年は開幕投手に指名されていたが、開幕延長により見送りとなった。なお、ドラフト前も含めると金田正一の10度が最多。
19年ものあいだ常にツバメのエースとして君臨しているが、この男の調子がチームの成績にも左右されている。頼もしいエースなのだが、いつまでも先発投手が台頭しないもどかしい状況の裏付けでもある。
応援歌♪
歌詞
(投手汎用テーマ)
闘志燃やして攻めろよ 投打に輝き放て
勝利をその手で掴み取れ
「ゴーゴーレッツゴー!石川!」
MIDI
プロスピA評価
前年2018シリーズ2から球威+1、制球-1と微調整された。デフォルトで制球Aは、人材不足が深刻なヤクルト投手陣において光るものがある。
代名詞の「カツオカーブ」はリアルタイム対戦でうまく決まると爽快。
外部リンク
http://npb.jp/bis/players/11315115.html (NPB)
https://www.yakult-swallows.co.jp/players/detail/12113 (ヤクルト公式)
http://tsubamegundan.com/information.html (応援歌一覧。全国ツバメ軍団
公式)
https://www.yakult-swallows.co.jp/photo (公式フォトギャラリー)
脚注
2020年5月23日更新
執筆者:yoshi-kky