ユニフォーム広告の規定とトラブル~TOKYO燕パワーユニフォームの例

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9月12日(土)の巨人戦(東京ドーム)で「がんばろう東京! THE TOKYO CULTURE」というイベントが主催されたことで、ヤクルト球団も「TOKYO」の字がプリントされた「東京燕パワーユニフォーム」を着用することになりましたが、広告についてのトラブルが発生。本項では、ユニフォーム広告の規定について見ていきます。

ユニフォーム広告とは

ユニフォーム広告とは、その名の通りユニフォームにプリントされた広告を指します。下記の画像を例にとると、「Majestic」や「XFLAG」の文字が広告に該当。華麗なプレーで魅せる選手はメディアにも大きく取り上げられ、その胸にプリントされた企業についての宣伝効果は多大な好影響があります。

ヤクルトの燕パワーユニフォーム(2018Ver.と2019Ver.筆者宅撮影)

テープで隠された広告

12日の試合では、このXFLAGのロゴが簡素なテープで隠されるシーンが目立ちました。

これは、セリーグの規定でビジターチームはユニフォーム広告が禁じられているため、暫定的な措置をとったということです。

しかし、試合中に多くの選手のテープは剥がれて、プレーを優先するためにテープを剥がしたままの選手が目立ちました。

ユニフォーム広告の規定

足並みそろわない「広告」の規定

セリーグでは禁止されていると申し上げたユニフォーム広告ですが、実はパリーグでは禁止されていません(例えば、楽天の場合だとビジターユニフォームにアイリスオーヤマのロゴがプリントされている)。

パリーグの試合では、よくホームチームとビジターチームがユニフォームを交換するシーンが見られますよね。あれも、ユニフォーム広告による規制がないことから出来ることなのです。

ところが、セリーグではユニフォーム広告の規制のために、通常のビジターユニフォームには何の広告もついていません。ビジターチームは、下記画像のように広告をつけないユニフォームをデザインしているのです。

ヤクルトの通常ビジターユニフォーム。胸には球団のyakult以外のロゴはプリントされていない。(公式フォトギャラリーより引用)

宙ぶらりんな規則

これはセリーグの公認野球規則に基づいた規制とのことですが、肝心の規則については公開されていません(ファンが気軽に見れるように整備されていない)。ファン目線からすると、あるのかないのかよくわからない規則ととられてもおかしくありません。

広告に関する規則は、スポンサーを保護するものと思われますが、肝心の規則が宙ぶらりんの状態では現場もルールを徹底することが難しくなってしまいます。そもそも、広告に関する規定で試合にストップがかかってしまっては、スポンサーへの印象も悪くなってしまいかねません。

スムーズに現場を運営するために、機構側がしっかりと規約の周知と、現場への周知を徹底してほしいものですね。

広告規制の撤廃を求めたい

私の見解ですが、そもそも広告規制は必要ない、もっと緩くなるべきと思っています。

広告収入は、今やスポーツビジネスにおいて切っても切れない存在となってます。こうした規則に柔軟に対応することができれば、マネタイズの面でもより規模の大きい市場となれるはずです。

今回のXFLAGの件では、テープがベロベロ剥がれたりくっついたりで、ヤクルト球団がちょっと杜撰な対応をしてしまった感が否めないですが、広告についての規制が緩くなればこのようなトラブルも減少するでしょう。ファンとしても、いつも決まったビジターユニフォームではなく、色々なユニフォームが見れると楽しいですし。

まとめ

・ユニフォームの広告は、セリーグの場合のみ規則により制限されている。

・規則は公開されておらず、現場レベルでの管理が難しく、ファンにも周知されていない

・規則の周知徹底、あるいは広告規制の緩和を求めたい

脚注

2020/09/13

yoshi-kky