無観客試合での応援スタイルにおける各国の現状や今後の課題について

応援スタイル
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(内容は6月3日時点でのものです。今後、球団公式情報により状況が更新される可能性があります)

6月2日より各地で再開されたプロ野球練習試合ですが、公式戦を含めてしばらく無観客で開催される意向で、純粋な球音のみを楽しめるとの意見もある一方で、やはりファンの声援がないと寂しい、という意見が多く聞かれています。今回は、そんなファンの声援の手段である、「応援スタイル」についてのトピックです。

賛否分かれるトピックかと思うので、コメント欄等で皆様のご意見賜れると幸いです。

プロ野球界における応援の現状

トランペット、いわゆる鳴り物を使った応援歌の起源は本項では触れませんが、これはアジア野球独特の文化と言われています。現在はどの球団も選手個別に応援歌が設定されているなど、私設応援団による鳴り物を使った応援は欠かせないものとなっています。

2017年WBCで日本代表がアメリカで試合を行った時は、日本代表の組織された応援団がアメリカに駆けつけ、鳴り物つきの応援を行いました。ツバメ軍団のメンバーで顔を見たことある人も多くいましたね。

かつてはアメリカの野球文化に倣って、アメリカでの試合のときに応援団が駆けつけて鳴り物入りでの応援をするということはなかったものの、2017年は日本代表の公認された応援団が鳴り物入りの応援がされ、賛否両論がありました。

私は、そもそも鳴り物つきの応援が好きということもあり、日本代表の応援団が組織され、鳴り物つきで応援されたことについては大賛成だったのですが、一部ではアメリカの球音のみを楽しむという野球文化を尊重すべきという意見も聞かれました。

台湾プロ野球での事例

2020年に世界で最初にプロ野球が開幕した台湾プロ野球では、当初入場制限が行われていたものの、チアガールは選手と同等に扱われ、ロボット応援団なるものも取り入れられ、大きな話題を集めました。

台湾の応援は、多くの場合日本の応援団のように鳴り物を使わず、録音された音声を球場に流し、観客もそのリズムに合わせて応援するという、いわゆる「台湾式応援スタイル」は、日本国内においても人気が高いです。WBCなどの国際試合では、日本の野球ファンも多くの人がこの「台湾式応援スタイル」を楽しんでいます。

元々鳴り物をつかない応援が主流だった台湾プロ野球においては、無観客試合においても、事前に録音されたBGMでの応援で活気づいています。

東北楽天ゴールデンイーグルスの事例

東北楽天ゴールデンイーグルスは、仙台をフランチャイズとして以来、長年にわたり球場のボールパーク化を推進しており、今や本拠地の楽天生命パークは日本最先端のボールパークと言ってもいいほど改築が進められています。観客収容人数も一時期は20,000人強だったものが、現在は1.5倍もの30,000人が収容できるよう増築されています。

この楽天生命パークですが、楽天の本拠地として開場して以来、一貫してトランペットを使ったいわゆる「鳴り物」を使った応援が禁止されており、原則太鼓や場内音声のみの応援となっています。

表向きは「近隣に設立されている病院への配慮のため」とされているが、実際は楽天が推し進めているボールパーク化の一環や球場BGM等による演出など、政策面による事情も大きいのだと推測されます。(そもそも鳴り物がダメでドデカい音響でのBGM垂れ流しがOKってのが、私はどうにも釈然としない)

この状況から生み出される事態として、ホームチームの楽天側は場内音響にある応援がされるのに、ビジターチームには鳴り物なしの太鼓のみの応援を強いられている現状だ。

ただ、鳴り物なしという環境はそれはそれで楽しかったりします。

現状では楽天の応援時のみのBGM応援となっていますが、これをビジターチームが音声を用意して、攻撃時に鳴らすというのはどうなんでしょう。応援歌の版権も絡んでくるかもしれない話なので、色々障壁はありそうですが。

無観客試合での今後の鳴り物応援の動向は?

鳴り物と言われる管楽器の演奏は、人の呼気を使って音を鳴らすものであることから、飛沫拡散防止の観点で感染予防を進めていく世論とは逆行するものです。

しかし、長年管楽器による応援歌の演奏に慣れ親しんだ我々プロ野球ファンは、音楽の演奏も含めた興行であると捉えています。私自身、連日応援団の近くの席を確保し、声援を送ることが日々の楽しみの一つでもあります。

ファンの一部である応援許可証を持った応援団による美しい鳴り物の演奏をバックに、ファンが声援を送るという姿を今年見ることは厳しいでしょう。

ただ、先述した台湾プロ野球や楽天のBGM応援のように、鳴り物でなくても応援の方法はあるはずです。

スタジアムDJの導入や、選手を鼓舞する登場曲の演出はもちろん、応援歌をバックグラウンドで流すことによって、多くのファンが喜ぶと思われます。応援団の方たちをはじめ、様々な関係者の協力も必要と思われますが、彼ら応援団を含む我々ファンや選手、球団関係者らがみんなHAPPYになれるような方法を、模索していってほしいと願っています。

スワローズ応援歌一覧

脚注

2020/6/3更新

yoshi-kky