4月23日の中日戦でコリジョンルールを巡って高津監督と審判が議論になるシーンがありました。
本塁を狙った村上がホームベースにスライディングをするも、ベースカバーに入った中日投手・松葉の足が邪魔になるかたちでブロック。
当初セーフの判定も、足が入ってないとされてアウトに覆る。このシーンを巡って監督が審判に確認し、ファンの間でも議論が交わされました。
改めて、コリジョンルールの定義や適用例について振り返っていきましょう。
目次
選手を守るためのコリジョンルール

本塁での際どい判定になると「コリジョン!」「コリジョン!」と叫ばれます。
コリジョンルールとは、選手を守るためのルールに当たりますが、そもそもコリジョンルールとはどのようなものでしょうか?
ルールの導入から振り返ってみましょう。
コリジョンルールとは
コリジョン(collision)ルールは、本塁での交錯による怪我を未然に防ぐためのルール。
かつての野球界では本塁のクロスプレーを巡って負傷者が出る例が後を絶たず、危険なプレーを禁止するために日本プロ野球(NPB)でも2016年シーズンからコリジョンルールが適用されました。
コリジョンルールの禁止事項
コリジョンルールでは、以下の事項が禁止されています。
走者が危険なタックルをして怪我をさせることを防ぐため、捕手としてもブロックをして走路を塞がないことが求められているのです。
1.本塁を狙う走者がホームを守る捕手、あるいは捕手以外の野手に対してタックルをすること
2.捕手がブロック(意図的に走者の進路を塞ぐこと)すること
参考:野球規則 https://npb.jp/npb/2016rules.html
コリジョンルールの適用例があいまい?
23日に行われた試合では、二塁走者の村上が冒頭の間に一気に本塁を陥れようとしたが、タッチアウト。
タイミング的にはセーフだったのだが、ベースカバーに入った中日投手・松葉が走路を塞いでいた。コリジョンになるのではないかと、高津監督からの確認が行われたが、判定が覆ることはありませんでした。
野球規則に当てはめると、走者は全ての野手にタックルを禁止しているのに対し、ブロックが禁止されているのは捕手のみであるという点。
ベースカバーに入った松葉のブロッキングが意図的でなかったものとし、コリジョンルールは適応されなかったと思われます。(このプレーに対して審判から判定の説明はなかった)
村上がキャッチャー捕逸の間に二塁から一気に生還。村上はセーフを確信も、リクエストで判定覆り、アウト。セーフと確信した村上はこのリアクション pic.twitter.com/pvKJhkUTOX
— ツバメinfo2 (@tsubame_info_2) April 23, 2021
安全な野球を
コリジョンルールは導入当初は色々と反発があったものの、現在では怪我を守るためのルールとしてそれなりに受け入れられています。
ホームのクロスプレートを巡る攻防は野球の醍醐味のひとつでもあり、見どころが失ってしまうことに対して批判の声があがることもありました。
しかし、ファンにとって重要なのは怪我をせずに選手がプレーできる環境。
今回のプレーでは村上は危険なタックルを行いませんでしたが、ブロックが禁止されないなら本塁にタックルせざるを得なくなります。これではコリジョンルールを導入した意味もなくなってしまうのではないでしょうか。
危険なプレーの防止、およびフェアプレーを遵守した判定をしてほしいと思う1シーンでした。
脚注
yoshi-kky