こんにちは。yoshi-kkyです。
コラムというよりかはほぼ落書きみたいな雑記です。NPB全体の中継ぎ評価についての話題です。
グラフは小さくて見づらいのでクリックして拡大表記してご覧ください。
Excel→PDF→jpegと変換しているので画質粗いです。
目次
中継ぎ投手の評価方法について
議題はタイトルの通り「中継ぎ投手の評価方法について」
2005年から連盟表彰の対象となったHP(ホールドポイント)
投手分業制と言われるものの、自分でゲームメイクする先発投手や試合の最後を締めるクローザーと違って、中継ぎ投手って試合の展開によって登板したりしなかったり、登板したとしてもその数値が客観的には分かりづらいことが多いです。
そのための指標として、HP(ホールドポイント=ホールド+勝利数)という指標が2005年から正式にNPBの表彰となったわけですが・・
ホールドの定義がいまいち分かりづらかったり、HP=ホールドでなかったり、登板数が評価されることもあったり、という状況です。
ちなみに、連盟のホールドの定義が下記の通り。読んでもようわからん。
最優秀中継ぎ投手賞=(新)ホールド+救援勝利=ホールドポイント
(新)ホールド=救援投手で勝利、敗北、セーブ、引き分けの記録を得なかった投手を対象とし、条件(1)か(2)を満たした投手にホールド1を与える。
(1)…セーブの条件を満たした時に登板し、一死以上のアウトを取りリードを保ったまま降板した救援投手に与える。
(2)…同点時に登板し、一死以上のアウトを取り、登板以降、前任投手の残した走者を含め無失点に抑えて降板した救援投手に与える。
(自チームが得点すれば、点を取られてもリードを保てばよい)
〈補足…走者を残して降板した場合は、その走者が後任投手によって得点し、タイ、又はビハインドになったら与えない〉
一応連盟が「HP」を最優秀中継ぎ投手として表彰しているものの、ファンからすると何を評価していいか分からないのが個人的な意見です。
歴代最多HP(=最優秀中継ぎ投手)
というわけなので、今回は最優秀中継ぎ投手が導入された以降の「HP」「ホールド」「登板数」をグラフにまとめてみました。2005~2019年までの数値です。
まずは、連盟表彰のある「HP」から。
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赤字はNPBレコード、太字はリーグレコード。やっぱり優勝したチームが多いのでチームの成績と相関がある感じがします。摂津正(ソフトバンク)や増井浩俊(当時日本ハム)のように後に先発やクローザーに転向してタイトルを獲得するような選手も目立ちます。
2010年の浅尾拓也(中日)は72試合に登板して59HPという、登板した試合の80%以上で責任がつくという安定感で2019年末現在もNPBレコード。なお、この年の47ホールドも同様にNPBレコードとなっています。翌2011年も79試合に登板し、防御率0.41、WHIP0.82と、とんでもない数字を残し、リリーフ投手としては史上初の最優秀選手を受賞します。中継ぎ投手が一躍脚光を浴びる象徴的な活躍でした。(一方で、この年の疲労が祟って選手生命が縮んでしまったという見方もありますが・・・)
最多登板
次に、最多登板を見ていきましょう。

ちょっとグラフの見方がややこしいですが、要するに最多登板をしても必ずしも最優秀中継ぎになれるわけではないですよ、ということ。過去15シーズンで2リーグの30パターンを例にすると、30パターン中16パターンで最多登板=最優秀中継ぎという図式が当てはまります。
2013年の西村健太郎(巨人)はクローザーとして活躍しながら、最多セーブとリーグ最多登板を同時に達成という唯一の例(2005年以降)。
2019年の平井克典はリーグレコードの81登板を挙げましたが、連盟表彰は宮西尚生が受賞しました。(平井41HP/81登板、宮西44HP/55登板)
最多ホールド
最後、ホールドについて。

ホールドとHPはどう違うのかというと、前述した式の通り、HPにはホールドに勝利数が加算されています。
好リリーフしながら味方がリードをとってくれたら勝ちがつくと、これはホールドと重複しないので、それを考慮した指標だと思います。
基本的には最多HP=最多ホールドとなるのですが、その例に漏れるのが一例ありました。
2014年パリーグにおいて、最多ホールドは五十嵐亮太(当時ソフトバンク)の44ホールドですが、最多HPは佐藤達也(オリックス)の48HP(6勝42ホールド)です。この年の佐藤達也は前年初の最優秀中継ぎをとった勢いそのままに、シーズン序盤から大車輪の活躍。67試合に登板して防御率1.09、WHIP0.93と抜群の成績で、イニング跨ぎもこなして勝ち星が転がり込んでくる、というシーンが多く、チームの2位躍進の原動力となりました。
五十嵐亮太の63登板で投球回数59.1に対し、佐藤達也は67登板で74.1。イニング跨ぎを辞さない奮闘がタイトル獲得に直結しました。
ただ、この佐藤達也も前述した浅尾拓也同様、このシーズンの疲労の影響か、翌年以降大きく成績を落とすことになってしまいます。
おわりに
中継ぎ投手についてのデータを色々見ていきましたが、こうやってデータを改めて見直すのも野球の楽しみのひとつだと感じました。
軽視されがちというか、正しく価値を測ることが難しい中継ぎ投手ですが、こういった視点から中継ぎ投手の役割について見直していければと思います。
引用
東京ヤクルトスワローズフォトギャラリー:三者凡退に抑える近藤一樹投手
(サムネイル画像)
https://www.yakult-swallows.co.jp/photo/detail/29440
NPB:最優秀中継ぎ投手賞について
http://npb.jp/npb/20050203stats.html
脚注
2020/04/20更新
yoshi-kky