5月25日、緊急事態宣言解除を受けて2020年シーズンの開幕が6月19日となることが、正式に決定した。
ポストシーズンについては、クライマックスシリーズ(以下、CS)を廃止して日本シリーズは11月21日開幕となることが濃厚だ。11月の日本シリーズといえば、2013年の仙台で血行障害持ちの杉内俊哉(当時巨人)が寒空の下で投げていたことが私的には印象深いのだが、屋外球場では気温や降雪の影響も懸念される。ここのところの気温環境や実施時期への対策についても、協議が必要だろう。
目次
2020年のCSは中止が濃厚
具体的な日程は発表されていないものの、2020年のCSはセリーグは中止、パリーグは短縮での開催が濃厚と見られている。
CS中止に対する私見
CSは、制度自体に導入への反発が強く、今でもCS実施については賛否両論だ(後述)。
この時世で、報道も開催か中止かで二転三転しているのだが、日程の都合で例年通りの開催とならないことは確実だ。
しかし、(五輪期間の穴埋めがあるとはいえ)3か月間もシーズンを短縮して、120試合は消化するという日程を強行しておきながら、CSの廃止は真っ先に決まってしまうという現状は、私にはどうしても違和感が残ってしまう。
もちろん、プロ野球の開催は喜ばしいことなのだが、これを機にCSについての歴史を振り返ってみよう。
CS導入への経緯
現行のCSは2004~06に行われたパリーグのプレーオフを参考に、両リーグで07年から導入された。
導入の目的は、順位決定後の消化試合を減らすこと、ポストシーズンでの興行収入増である。
実際に、この目論見は概ね成功していると見られ、特に毎年CS出場権を巡る「Aクラスの椅子」の攻防戦は白熱しており、シーズン終盤で優勝の可能性が完全に消滅したにも関わらず、Aクラスの椅子をかけた試合を見るためにファンが大勢スタンドに詰めかけ、勝敗に熱狂するというシーンも多く見られた。
CS導入への反発
名目上は消化試合の減少のためと言っているが、実際のところは敗者復活的な意味合いが強くなってしまい、疑問を唱えるファンや関係者が少なくない。
確かに興行的には成功しているのかもしれないのだが、優勝したチームのファンや球団関係者からすると、苦労して辛いペナントレースを勝ち抜いたにも関わらず、たった数試合の勝敗で日本シリーズへの切符をフイにされたのではたまったものではない(それでも、2位や3位という結果に終わったら、優勝チームの打倒を目指すのが人情だが・・・)。
そもそも、日本シリーズ出場権をかけてペナントレースを戦うのに、その上でCSを行うというのが蛇足なのだ。蛇の足なのだ。
メジャーリーグでは1リーグに15チームが存在しており、それぞれ3地区に分かれて、最終的にワイルドカードのチームを含めた4チームでワールドシリーズへの切符をかけたトーナメントを戦うことになる。
長いペナントレースはワールドシリーズ、ひいてはポストシーズンのトーナメント出場権をかけた争いとされており、リーグ優勝が決まっているにも関わらず改めてポストシーズンを行いましょうということはしない(もちろん、最高勝率のチームは統計上存在するのだが、地区によって対戦カードが大きく異なるので、あまり参考にはならない)。
日本よりも球団の数が少ない台湾や韓国のプロ野球では、そもそも1リーグ制であるのだが、全日程を消化した後に改めてポストシーズンが行われている。
解決策、私見
日本プロ野球において、これら問題を解決するには、※球団数拡張(エクスパンション)が有効であると考えている。
メジャーリーグもかつては日本と同じように両リーグの勝率1位チームがワールドシリーズで相まみえるというシンプルなのものだった。それが1969年にはじまったエクスパンションを機に、地区制度が導入され、現行のポストシーズンの基礎となるプレーオフがはじまった経緯がある。
なんでもかんでもメジャーリーグの真似をしようというわけではないのだが、今季CS中止となれば、来年以降に元の日程を組むのは非常に骨が折れると思われる。
どうせ骨を折るなら、後々の球界のためになるような骨の折り方をしようじゃないか、というのが私の意見だ。
※注:球団数拡張(エクスパンション)
王貞治氏(福岡ソフトバンクホークス会長)をはじめとする球界OBが主軸になってはたらきかけている、現行12球団を16球団に拡張しようという動き。沖縄の「琉球ブルーオーシャンズ」らが参入に意欲的で、野球人口増といった様々なメリットがある。
ポストシーズンを充実するためにエクスパンションを行うのでは、目的と手段が錯綜しているように思えるが、これについては、別項で記述しようと思う。
おわりに
何にせよ、繰り返しになるが、シーズンの開幕が正式に決まったのは、ファンとして非常に喜ばしいこと。ポストシーズンの動向についても遅くないうちに決まるものと思われます。
ごちゃごちゃした事情はさておき、まずはグラウンドで選手が躍動するのを楽しみに待とうじゃありませんか。
外部リンク
https://news.yahoo.co.jp/articles/f7681240b56d33017f30157204db3241d9264bf1
脚注
2020/05/26更新
yoshi-kky