惨敗も若手の成長兆しあり‐2020年ヤクルト総括

2020年のヤクルトは2年連続の最下位に沈んだ。リリーフ陣はシーズン通して堅調だったものの、打撃陣と先発投手は通年で不安があった。一方で奥川恭伸ら若手投手陣が台頭しつつあり、シーズンオフは異例の大補強を敢行。来期への期待がかかる。

2020年の東京ヤクルトスワローズ

120試合 41勝69敗10分 勝率.373。セ・リーグ6位

序盤に首位に立ったものの、そこから勝ちきれずに低迷すると8月から4連敗、2度の5連敗、6連敗と最下位に転げ落ち、気付くと2年連続の最下位に沈んでしまった。

開幕直後の快進撃支えたリリーフ

開幕直後のヤクルトは強かった。コロナ禍の変則日程で開幕神宮14連戦を7勝7敗でイーブンに持ち越すと、続く中日・巨人とのビジターゲームで4連勝し、首位に立つ。

高津臣吾新監督が特に重視するリリーフ陣は絶対的な守護神である石山泰稚を中心に、2年目の逆襲を狙う清水昇、鉄腕助っ人マクガフ、若手有望株の梅野雄吾や長谷川宙輝らが凌ぎを削るハイレベルな争いを見せていた。

先発投手陣は相変わらず不振だったが、リリーフ陣が先発の投手をカバーした。

最優秀中継ぎ(最多HP)を獲得した清水昇は7月だけでシーズンの3分の1にあたる10HPを稼ぐ大車輪の活躍だった。中盤は打ち込まれる時期もあって苦しんだが、最終的にはリーグ最多タイの30HPをあげ、自身初の最優秀中継ぎのタイトルを獲得した。

2021年のヤクルトはどんなシーズンに?

もういくつ寝るとお正月の季節だが、プロ野球シーズンは2月のキャンプインを経て3月26日の開幕を迎えることになる。

今オフは例年に見ない大補強を敢行し、特にメジャーでも実績のあるオスナやサンタナの加入は得点力不足を大いに補ってくれるだろう。ヤクルト史上最多契約額で残留した山田哲人の復活にも期待したい。リリーフ陣も残留を表明した石山泰稚を筆頭に堅調な活躍を期待できるだろう。

一方で、先発投手陣はエースの小川泰弘(今季10勝)が残留したものの、小川に続く2番手が力不足である。来日3年目のスアレス(4勝)は怪我さえ無ければ十分な活躍が期待できるが、3番手以降は高梨裕稔(4勝)を筆頭に実績のない若手投手陣の台頭に期待したい。特に注目なのが来季4年目を迎える金久保優斗、同じく5年目の高橋奎二だ。彼らは1軍での実績はまだそこまで無いものの、今季終盤の戦いやフェニックスリーグでの活躍は十分に期待を予感させるものであった。

脚注

2020/12/31

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